・来週から稽古なのに…
・どうしてもセリフが覚えられない
ってお悩みの方の為に、年間に100本以上の舞台本番出演経験のある私が、爆速でセリフが覚えられるノウハウをまとめてみました!
1年間に100以上の公演なので、おおよそ2週間に1度は1本の台本を覚えているって事です。
そんな中で私自身が実際に経験して効果の高かったものを厳選してステップアップ方式でまとめたので
この記事を読めば…
・相手の目をみながら言えるから聞き手に伝わりやすい
・伝えたい事が明確化するから感情表現が豊かになる
・セリフ覚えを早くして脚本解釈に時間をあてられる
など、セリフを覚える事が非常に楽しくなるはず!!
結論:セリフを覚えるには「意味で読め!」
セリフを早く覚える唯一無二のテクニックは、台本を意味で読むことです。
まず、やってしまいがちな間違いの例として、
・丸暗記しようとして書いて覚えてみる
・台本をジーっと見つめてにらめっこ
これをやっている人は本当に多いのですが、実はめちゃめちゃ遠回りな覚え方です。
学生の頃に英単語覚える時良くやったじゃん!
ってことで、この覚え方をする人って多いのですが、それってインプットだけであって実生活でアウトプットできる知識ではなかったりするんですよね。
どう言うことかと言うと、覚えた文字の羅列をアウトプットしても、それはいわゆる棒読みだったり、感情のこもらない発言にしかならないのです。
その為、台本を読み解きながら感情の流れを骨組みから理解することが一番の近道です。
読解力をあげるコツはこちら
具体的に説明していきますね!
セリフを早く覚えるコツとして私が実践したり私の生徒の成功体験で効果の高かったものは
・台本を素読みした後要約してみる
・日常会話を思い出してみる
・マーカーは絶対NG!
・相手のセリフだけを録音してみる
・早回しをしてみる
この5つがあげられます。
それぞれ細かく見ていきましょう。
その台本を一言で言うと?本を要約してみる
例えば皆さんも映画やドラマなどで、このシーンのこのセリフが強く印象に残った!
なんて経験があると思います。
それって、一つのストーリーが積み上がっていって視聴者の共感があるタイミングで欲しい言葉や、ここでこの言葉?!なんて裏切りがあるから覚えているんですよね。
台本も全く一緒で、この本で聞き手に何を伝えたいのかと言う意図、意味をまず理解する事が覚える1個目の近道です。
例題として小学校の国語の授業で皆が習った、注文の多い料理店を一言で要約してみるとどんな作品でしょうか。
私がこの本を一言でいうと
遊びで猟をする人間が、動物から仕返しされた話し
という印象です。
これで台本の骨組みが理解できました。
日常会話を思い出してみる
一般的な台本は、相手に伝えると言うことを人間の言動で行っています。
普段の会話で相手に発言する時って、必ず先に思考が来ていますよね。
例えば「お醤油取って」って発言があるとすると、その前の話し手の思考としては
①この食べ物はこのまま食べると味が薄いから醤油をつけたいな
②醤油は今テーブルの向かい側にあるから、相手の方が場所が近い
③自分で手を伸ばして取るより取ってもらった方が効率的だから頼もう
このように考えた結果初めて、「お醤油取って」と言うコメントが生まれる訳ですね。
そこに相手のリアクションが分岐して乗っかってくるのですが、無言で取ってあげるのか、笑顔ではいどうぞと渡してあげるのか、嫌だと断られるのか。
これを連続して紡ぎ合わせたものがセリフです。
こう考えていくと、自分がそのセリフが出てくる為の要因になったきっかけが必ず台本の中に隠されていると言う事が分かりますね。
つまり、重要なポイントとしては自分のセリフを見るのでは無く、相手のセリフで自分(の役柄)がどう言う思考になるから自分のセリフが出てくるんだよって事を理解する事です。
と、言うことは台本そのものの見方が変わってきますね。
自分の配役のセリフにマーカーはNG!むしろ塗りつぶせ!
以上の理由から、セリフは相手きっかけ(リアクション)だと言うことが分かりました。
その為、私が実践していた方法は自分の台本を2〜3回読んで大筋の流れを掴んだら台本をコピー(今だとスマホで撮って自分の所だけ塗りつぶしてもOK!)しちゃって、
自分のセリフを丸ごとマッキーで消して相手のセリフに対してこの役ならどう言う思考になるんだろう?って考える事をしていました。
このやり方の最大のメリットは、台本を覚えながら並行して自然と役の思考に近づいていくので、いわゆる役作りも出来ちゃうんですよね。
例を挙げるとすると、
刑事「なんでこんな事したんだ。とても今の君を見ているとそんな事する性格には見えないが。」
犯人「・・・実は、私にはずっとあいつに裏切られた過去があって・・・。」
刑事「そうか。そんな事があったのか・・・。」
こんなシーンがあるとします。
刑事の役だと相手の言動や表情に、まさかこんな人間が犯行をするのには意味があるだろうと探るような、ある種純粋な疑問から出た「なんでこんな事」と言うコメントですね。
犯人の役は刑事さんのその純粋な質問を受けて、虐待という過去を今まで誰にも話せなかったけど、この刑事さんなら話しを聞いてくれるかもしれないという思考が変化する事によって自分の過去を打ち明ける決意をして、「・・・実は」とつながります。
自分のセリフは声に出さず、相手のセリフを声に出してみる
私の生徒さん達にも多く見られましたが、自分のセリフだけを音読して他の役は黙読、なんて事を約8割が行っておりました。
ただそれって、相手が自分に対して自分の想定している言い方で言ってくるとは限らないんですよね。
前章の刑事と犯人を例に挙げると、
刑事「なんでこんな事したんだ。とても今の君を見ているとそんな事する性格には見えないが。」
犯人「・・・実は、私にはずっとあいつに裏切られた過去があって・・・。」
刑事「そうか。そんな事があったのか・・・。」
人情型の刑事さんとすごく大人しそうな犯人をイメージする人もいれば、感情の起伏が非常に激しく、怒って聞いてくる刑事さんとそれに怯えて白状する犯人をイメージする人もいますよね。
要は言いたいことは、自分の言いやすいところで自分のセリフだけを発声していると固定観念に縛られてしまい相手の言葉に対するリアクション、つまり会話として不自然な会話になってしまうんです。
そうなると演出家から見て「セリフを言う、覚えるだけなら誰でもできるんだ」なんて印象になってしまいます。
本来の目的はセリフを覚えてスタートライン。そこからどう表現してお客様に伝わる作品を作るのかと言う着地点のハズです。
だからこそ、私は相手の役の言い方を常に変えながら声に出して読んで自分のセリフはそれに対してのリアクションを黙読、と言うことをやっておりました。
結果的にそれが功を奏して、おおよそどんな表現で相手が来たとしても柔軟に対応出来るようになったのはそのおかげでした。
相手がいる環境であれば、超高速で全力でセリフを言い合う
演劇界で言うと「早回し」なんて言い方をされたりもするのですが、最初は台本を持って行って構いません。
この方法はルールが大きく4つあります。
・全力で動き回りながら行うこと
・セリフは相手にちゃんと発すること
・声量を普段の3倍
・会話速度を普段の3倍
目的としては、凝り固まった言い方を全部捨てる為と、動き回りながら全力でセリフを言い合うのでびっくりするくらいセリフがインプットできます。
ただ、効果が高いからと言ってやり過ぎは喉を痛めちゃう原因にもなっちゃうので厳禁ですよ!
まとめ
今回は圧倒的にセリフを早く覚える5ステップをご紹介しました。
一字一句間違わず丸暗記!!ではなく、本の意図、伝えたい意図を骨組みから理解して相手の言葉を聞いた上で会話することを意識。
これさえ出来れば、自然と言葉が覚えることができますよ。
気を付けるべきはベッドで横になりながら、ソファにもたれながら覚えても披露する本番とはプレッシャーも環境も感情も全く違う為、セリフが抜けた!なんて事も往々にしてあります。
可能な限り本番に近い環境づくりも並行して行っていくとより効果的ですね。
他にも、表現が日常に役立つ記事を書いていますので、宜しければご覧ください。
シェアもお待ちしています!
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