・「声出せ!」って言われても…
・声をおっきく出したら喉が痛い
・発声練習ってどうやればいいの?
ってお悩みの方の為に、15年間舞台をメインに活動してきた私が俳優として必要な発声練習法を効果の高かったものから厳選してまとめてみました!
なのでこの記事を読めば…
・発声練習の方法がわかる
・実践的な腹式呼吸のつかい方が理解できる
・自分の自然な声の高さを再認識
なので…
役者にたいせつな、「声」をマスターできるハズ…!!
俳優に発声練習が必要な理由と効果
まず結論ですが、「発声練習ってなんで必要なの?」「やったらどんな効果がでるの?」という事から説明します。
大きくわけて3つの理由と効果が見込めるので役者は発声練習をします。
・声を枯らさない為
・地声の声量をあげる為
・声の質をよくする為
それぞれ解説します。
声を枯らさない為
舞台や映像、その他のお仕事のオファーもそうですが「役者は1声2姿3芝居」と言われるほど声が重要な要素です。
ひとつの作品をつくるのに、多くのスタッフがいてはじめて作品ができます。
ようやくの出番に「声がでません!」だとプロの仕事とは言えませんよね。
ラーメン屋さんに入ったら「ラーメンのつくりすぎで腱鞘炎だから今日はラーメン作れません!」とは言われませんものね。
日常から鍛えておくことで声が枯れない喉をつくることができます。
地声の声量をあげる為
声っておおきくなるんですか?
声量も鍛えることでおおきくすることができます。
後述しますが、腹式呼吸をおこなうなどの訓練によって一度にはきだせる呼気の量を多くすることができるので、その結果として声量がおおきくなります。
これは、主に舞台などで声が小さかったりするとうしろの席まで聞こえないことを防いだり
映像の演技でもピンマイクに声がきれいに入るようにするような効果があります。
声の質をよくする為
ボイストレーナーの先生たちは「人の体は楽器である」ということを口をそろえて言います。
私もまったくその通りだと思います。
せっかく声がおおきくても、耳ざわりの悪い声は観ている視聴者にとって気分のいいものではありません。
発声練習をすることで自分の体をうまくつかって、声の質を高めることができます。
発声練習をする前の事前準備
筋トレなどもそうですが、声をおおきくしたい!って大声を出しても枯れちゃうだけです。
まずは、事前準備から整えていきましょう。
・騒音対策をする
・ストレッチ
・姿勢を正す
それぞれ説明します。
騒音対策をする
自宅や公園などの屋外でとつぜんおおきな声で発声をはじめたら周りの人はびっくりしますよね。
Amazonなどで防音グッズを購入するか、金銭的に難しい場合にはまくらや厚手のタオルなどを口にあてがったり
または夜間には行わずに日中の時間帯におこなうなどの配慮をしたいです。
私は学生時代に夜中に発声練習をして、隣人から怒られました…。
ストレッチ
くびのストレッチと、舌(舌根)のストレッチ、表情筋のストレッチをします。
下記の手順でやってみましょう!
①ゆっくりとくびを左右に10回ずつまわす
②くびを左右に倒して数秒間キープ
③最後に真上を見上げて数秒間キープ
①舌を歯とくちびるの裏のあいだで左右に10回ずつ回す
②あくびをするように口をおおきくあけて数秒間キープ
③下を前につきだして数秒間キープ×3回
①顔のパーツを全部真ん中にあつめるつもりで縮めて数秒間キープ
②反対に顔のパーツを全部外に出すつもりで広げて数秒間キープ
③「あ」と「お」の口をゆっくりと10回くりかえす
④「い」と「う」の口をゆっくりと10回くりかえす
姿勢を正す
意外とできていないのがコレです。
ベッドで寝ながらだったり、ふだんの楽な姿勢で発声練習をやっても舞台の上では姿勢が違うので練習通りの声が出せません。
頭の中心からおしりまで糸で上にひっぱられていることをイメージします。
※現代はほとんどの人がスマホを見るので首が前に倒れています。
鏡で見ながらまっすぐの姿勢を覚えることが重要です。
役者の発声練習を実践
実践的な発声練習の方法として3つ紹介します。
・ハミングで自分の自然な声の高さを知る
・腹式呼吸で呼気を押し出す力をつける
・母音の形を覚えて音のかかりをなくす
それぞれいっしょに実践してみましょう。
ハミングで自分の自然な声の高さを知る
ハミングとは、一言でいうと鼻歌です。
口を閉じたまま「ん~」と声をだすのですが、この時に注意すべきポイントがあります。
・くちびるや鼻あたりが震えること
・のどに力を入れないこと
・鼻からでる息が少ないこと
うまくできていれば、鼻がちゃんと振動していることがわかります。そのままの振動で口をあけて
「ん~まぁ~」
と音がなるところがあなたの地声の一番自然な音です。
高い音をだしたい時は鼻の振動を頭のてっぺんが震えるようにハミングをしながら口をあける
低い音をだしたい時は鼻の振動を胸あたりを震えるようにハミングをしながら口をあける
次で紹介する腹式呼吸を意識しながらおこなうとより効果的です。
腹式呼吸で呼気を押し出す力をつける
いろいろなところで、”腹式呼吸”という言葉は目にしますが「おなかで呼吸する」というイメージがあまりつかない方に向けてイメージを用意しました。
呼吸というのは大きく3つに分かれます。
・胸式呼吸(きょうしきこきゅう)
・肩式呼吸(けんしきこきゅう)
・腹式呼吸(ふくしきこきゅう)
ひとつずつ解説します。
胸式呼吸(きょうしきこきゅう)
肺を風船で例えると、6割~7割ほど膨らんでいる状況です。
私たちが普段生活をしている中で”通常時”の呼吸法です。
肩式呼吸(けんしきこきゅう)
肺を風船で例えると、2割~4割ほど膨らんでいる状況です。
全速力で走った時などに「息が上がる」という時がこの呼吸法になります。
腹式呼吸(ふくしきこきゅう)
肺を風船で例えると、8割~10割まで膨らませた状況です。
つまり、腹式呼吸とはおなかを膨らませることで肺の可動域をおおきくして一度にはきだせる呼気の量をあげよう!という事です。
腹式呼吸の鍛え方
ものすごく簡単に言うと腹式呼吸の考え方は以下のように行います。
人は、自然と寝ころがっている時は腹式呼吸になっています。
息を吸うときにおなかが膨らみ、吐くときにおなかが凹みます。
この状況を起きた通常の状態でも行うことが役者に必要な訓練です。
丹田(たんでん)というおへそから約3~5cm下に指を置いたまま、以下の呼吸を行います。
※この時、息を吸うとき丹田がおなかで一番前に出て
息を吐くときに丹田がおなかで一番へこむようにイメージする事が大事です。
①4秒で吸って8秒で息を吐ききる
②2秒で吸って16秒で息を吐ききる
③1秒で吸って30秒で息を吐ききる
短い秒数では息をおおきく吐くこと、吐ききること
長い秒数では息をちいさく吐くこと、姿勢を崩さないように注意することがコツです。
母音の形を覚えて音のかかりをなくす
母音は「あいうえお」の事ですね。
母音を発声するときに口の形が適切でない場合、おなかから押し出した呼気が口の内側にあたってきれいな反響が鳴らないデメリットがあります。
適切な形は以下の通りです。
あ:りんごを上からかじる形。指3個分あける
い:口角をあげ、横に張る。指1個分あける
う:くちびるを前に突き出す。指1個分あける
え:「い」の口を指2本分あけ、舌根を下につける
お:「う」の口を指2本分あける
ん:(半母音)ややあごをしゃくりあげる
ゆっくりと一音一音でいいので、口の形の意識をして話すトレーニングをするとだんだんと音の通りが良くなることを実感できますよ。
まとめ
今回は、自宅でできる発声練習の方法を紹介しました。
・ハミング
・腹式呼吸
・母音の口の形
をトレーニングするだけで驚くほど発声は良くなります。
もちろん、近道はないので一歩ずつ積み重ねていくことが一番重要です。
積み重ねのモチベーションを高めるにはこちらの記事もおすすめです。
他にも、俳優として生きていくために役立つ記事を書いているので良かったらみていってくださいね。
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