・早く演技がうまくなりたい
・演技がマンネリ化している…
・一人で爆速で演技上達する方法は…?
こんなお悩みを抱えた方の為に今回は、
15年間俳優として活動してきた私が演技の上達方法の裏ワザを厳選して大公開!
なのでこの記事を読めば…
・演技の上達の極意を知れる
から、表現の幅が増えて芝居がもっと楽しくなるハズ…!!
演技が上手くなる最大のヒケツは、上手くやろうとしないこと!
「演技が上手くなりたい!」
一見、ストイックで向上心が高いように見えますよね。
そもそも、演技がうまいとはどういうことでしょうか。
例えば野球がうまいひとの定義は
・バッターとして高い打率を持っている
・ピッチャーとして打たれる確率が低い
・盗塁の成功率が高い
など、ある程度数値化して分析することができます。
ところが演技になると数値化の分析は難しくなってきます。
・100人中50人以上がこの演技で感動した
といっても、お客様が変われば当然感性が違うのでこの数値が変わるんです。
つまり、前提として野球などの実績を残せば残しただけ評価される競技と違い、俳優がどんな演技をしようとも客観的な評価であるということが根底にあります。
よく見せたい、上手く見せたい!は役の感情とは違います。役者の感情です。
なので演技が上手くなりたいなら、まずはモチベーションはそのままで結果を求める演技や考えを捨てましょう。
・上手く見られようと演技して、評価された
・がむしゃらに演じた結果として上手い!と評価された
この2者には実はかなりの差があり、断言しますが後者のほうが伸びます。
じゃあどうすればよいのか、具体的に4つの攻略法があります。
・細かく演技を具体化していく
・反復練習をとにかくくり返す
・演技の幅をもつこと
・演技に余白を持つ(持たせる)こと
それぞれくわしく解説していきますね。
細かく演技を具体化していく
人は生活をする上で意識的に行う動作や思考と、無意識に行える動作や思考の2つで活動します。
例えば台本にこんな記載があったとします。
A、コーヒーを飲む
A「おいしい」
このシーンをどう表現しますか?
おそらく、俳優を目指したばかりまたはこれから目指そうとしている人の90%以上は普段意識的に行っている動作や思考が違っているはずです。
この、普段意識的と無意識に行っている動作や思考とのズレが観客にとっての違和感になります。
どういうことかと言うと、普段あなたはどこまで意識してコーヒーを飲みますか?
①目の前にあるコーヒーカップを見る
②飲もうと思う
③左手でカップの取っ手を掴む
④人差し指、中指を取っ手の中に入れて持ち上げる
⑤カップの熱さを指先に感じる
⑥コーヒーをの香りを鼻先に感じる
⑦くちびるとカップのふちがつく
⑧熱さに気を付けてゆっくり口に含む
⑨喉を通る味に「おいしい」
⑩コーヒーをこぼさないようにゆっくりとテーブルに置く
セリフにした時にたった4文字しかないシーンなのに、具体化していくとこんなにもやれる事があります。
しかし、”演技をする”ということに意識が持っていかれて演技自体が結果的に雑になってしまうケースを良くみます。
これって、普段の生活と演技している本人に差があるなら見ている人にとっても違和感に見えるのは当たり前ですよね。
この動作や思考の差を埋めることが、「演技を具体化すること」です。
つまり、日常生活を送るにあたってどういう思考でどんな動き方をするのかを意識しながら生活を送ることでリアルな演技の練習を今まさにしている状態なんです。
※演技の初心者がはじめて演技をやる場合は緊張など別の原因で余裕がうまれないケースがほとんどです。
あせらずに経験を積むことで自然と”演技すること”への余裕が生まれてくるので、次項の反復練習とあわせて考えると効果的ですよ。
反復練習をとにかくくり返す
私の行っているワークショップで、セリフの言い回しの変化をつけるのに効果の高かった反復練習方法で
”1分間のスピーチ”
という方法があります。
これは、独自でやっている方法なので多分どこを探しても無いと思います。
練習方法としては、
あなたの直近でおきた
・うれしかったこと
・楽しかったこと
・悲しかったこと
・つらかったこと
なんでも良いので、自分の友人をひとり想定して、それを1分間で声に出して説明してみてください。
できたら、同じことをもう1度説明してみてください。
要は、1度自分で話したことを再現するということです。
重要なのは、一言一句間違えずにいうことではなく、同じ表現ができているのか。
慣れてきたら、想定している相手を増やしてみたり、年齢をあげたりさげたり。
対象者を増やすと表現も自然と大きくなりますよね。
なぜこの練習が必要かというと、たとえばこんな経験ありませんか?
売れている芸人さんのギャグを同じような言い方と同じような間で言ったとしても、スベッてしまった。
それは、完コピをしたつもりだとしても細かい間やニュアンス、そして言い回しが微妙に違うからです。
「憧れの俳優のあのセリフの言いかたがかっこいい」
という感情からくるマネも同じで、その俳優さんとあなたは身体も声も顔も生い立ちさえも違います。
つまり、反復練習で自分が一番表現しやすい言い回しの方法こそがあなたにしかできない表現でありオリジナリティなんです。
演技の幅を持つことで俳優として上手く見える
いわゆる、カメレオン俳優と呼ばれる俳優さんたちは、演目によってまるで人格が変わったかのような演技の変化を私たちに見せます。
自分が歩んできた生活や反復練習だけでは演技の幅がせまくなってしまい”どんな役だってこなせる俳優”ではなくなってしまいますよね。
売れている俳優さんたちは忙しいスケジュールの中演技の幅を広げるために具体的に4つの方法を取りながら演技力を上げています。
・セリフを爆速で覚える
・発声練習の反復をする
・台本の読解力をあげる
・人間観察を徹底的にする
それぞれ方法を見ていきましょう。
セリフを爆速で覚える
俳優のスケジュールは予測のできないものが多いです。
実際に私も、本番2週間前に急きょ代役ができないかとオファーがきて1日でセリフを覚えてすぐ稽古に参加した経験があります。
そうでない場合にも、セリフを早く覚えたらその分時間に余裕ができてプランを考える時間や他のことに活用できるのでメリットだらけですよね。
台本を爆速で覚える方法は文字で読むのではなく、意味で読むことです。
具体的には
・台本を素読みした後要約してみる
・日常会話を思い出してみる
・マーカーは絶対NG!
・相手のセリフだけを録音してみる
・早回しをしてみる
があげられます。
もっと詳細の記事はこちら
発声練習の反復をする
ひとつの演目を成立させるためには裏方のスタッフさんを含めたくさんの人が動きます。
そんなときに「喉が枯れて100%のパフォーマンスができません」ではプロとは言えませんよね。
発声練習をする理由と効果は
・声を枯らさない為
・地声の声量をあげる為
・声の質をよくする為
があげられます。
そして、発声練習の具体的な方法としては
・ハミングで自分の自然な声の高さを知る
・腹式呼吸で呼気を押し出す力をつける
・母音の形を覚えて音のかかりをなくす
もっとくわしく解説した記事はこちら
台本の読解力をあげる
台本に書かれている伝えたいことが、俳優の読みとった伝えたいことと食い違っていると、どんなに素敵な作品だったとしても観客には伝わりません。
脚本解釈を深めることで、
・演出家の要望にすぐ対応できる
・相手と「絡む」演技が出来る
・あなたがこの配役を受ける意味が出る
ようなメリットがでてきます。
具体的な読解力の深め方は、
・役の心理状況の選択肢を書き出す
・サブテキストを読む
・直前の背景を考える
ことが効果的です。
さらにくわしく解説した記事はこちら
人間観察を徹底的にする
学ぶの語源は、真似(まね)すると考えられています。
自分にない設定の役が来た際にその人の行動や思考をいちばんてっとり早く習得する方法は、人間観察です。
20代でおじいさんの役を私も経験したことがありますが、杖のつき方からしゃべる時の口の動き方、手の位置や腰の曲がり具合…
とにかく完コピをしました。
人間観察をするときに見るべきポイントは以下の通りです。
・身振り手振り
・表情
・話す内容やトーン
・その言動に至った背景
さらに深く掘り下げた記事はこちら
演技に余白を持つ(持たせる)こと
演技プランを練ったり、バックボーンを重厚なものにすることはたしかに演技を行う上では重要なことですが、それと同じくらい重要な項目として
自分のやりたいことすべてを表現しきらない
ことは演技をする上で大事です。
それは、理由が大きく2つあげられます。
・役者が結果を追っていることになりがち
・観る側に想像させることでひとつの作品になる
という理由です。
役者が結果を追っていることになりがち
例えば、上にあげた台本の例をだすと、
A、コーヒーを飲む
A「おいしい」
このコーヒーを飲むAの役をあなたが演じるとします。
この配役を演じるにあたって、バックボーン(役の設定)を仮につけてみるとすると
・毎日決まった時間にコーヒーを飲む
・サラリーマンで営業会社に勤めている
・独り身である
このように設定があったとします。
これらを観客にすべて伝えようとすると、
・コーヒーの前に時計を見る動作
・経済新聞を読みながらコーヒーを用意する
・指輪をしていないなどの動作
一気に説明じみた芝居になりますよね。
普段の日常生活ではそんな動作はしないはず、といった演技が足し算になって、観る側は「こういう説明を今されているんだな」とひいてしまいます。
観る側に想像させることでひとつの作品になる
要するに、設定を作りこむことは重要ですが、その設定を信じて表現をしようとしないこと
が大事です。
映画やドラマをみて、
「この役ってこのあと実は〇〇になったりして」
「実はこの人はここに来る前に〇〇だったのでは?」
って想像をかきたてられるくらい没入する時って俳優志望なら必ず経験したことがあると思います。
視聴者が観たあとに考える余白がまさにそれです。
そして、その考える余白という点で私がもっとも優れている作品だと思うのは、こちらの作品です。
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・1957年の作品でモノクロの映像
・映画の製作費が超低予算
・撮影日数がわずか2週間ほど
の作品にもかかわらず、ほとんどセリフまわしだけで1時間半を持たせる演技力。
登場人物全員の背景をかんがえてしまうほどの圧倒されっぱなしの時間になることは間違いありません。
まさにこの章の「演技に余白を持たせる」ということがすべて詰まった作品なので、ぜひともご覧ください。
まとめ
今回は、演技がうまくなる為の必要なことを記事にしてみました。
初心者から中級者向けに書いているので、1か月後にまたこの記事を読み返してみるとまた違った見え方、違った理解ができるように書いているので
何度も読み返して自分のものにしてくださいね!
他にも、演技力がたかくなりやすい人の特徴をまとめた記事を書いています。
よかったらあわせて読んでいってくださいね。
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