俳優に必要なスキルって何?実体験をもとに役に立った事や考え方まとめ

ステップ2:演技を学ぶ

・俳優ってなんでもできた方がいいらしいけど…
・演技以外になにがあればいいの…?

って思ってる方に向けて、俳優で15年間活動してきた私が必須なスキルややっていてよかったこと、考え方を厳選してまとめてみました!

なのでこの記事を読めば…

・どんな人が俳優にむいているのか
・スキルを生かすための考え方

が分かるから、何に努力すればいいのかを理解できて俳優の夢まで近道になるはず…!

この記事の信用性

☑筆者が俳優として15年間生活をしている
☑年間20本以上の配役で出演経験あり

俳優で役に立たないスキルは無い

まず結論ですが、俳優として生きていく上で役に立たないスキルは無いです。

というのは、スキル=人より優れている特技と思っている人が多いのですが実はコンプレックスに思っていた一見人よりも劣っていそうな事も演技においては使えるからです。

具体的な例としてあげてみると

コンプレックスな事も演技に使える!

・滑舌や発声
・特徴的な歩き方、走り方
・日常生活でのしぐさ

があげられます。詳しく解説していきますね。

滑舌や発声

人と会話していて聞き返されたりした経験がある方などがあてはまりますが、たとえば臆病で会話が苦手な人の役やどもってしまう人の役をやる時には自分の過去の経験をつかうことで大きな武器になります。

もちろん、舞台などで発声をする際にちいさな声でも通る声を習得しておかなければセリフ自体が聞こえないという事になってしまうので

・腹式呼吸で
・口を母音で適切にあけて

発声をする必要はありますが、役がなぜ声が出にくい人なのかの心情を理解や共感ができる人は自然と演技が深くなります

もっと詳しく発声練習のコツを知りたい方はこちら

特徴的な歩き方、走り方

私は立場上役者仲間の舞台の公演を見にいくことも多いのですが、ある役者さんに文字通り”釘付け”にされた芝居がありました。

話しの内容は一言でいうと日本のホームレスが政府の立ち退きとたたかう話しだったのですが、

ホームレスのリーダー役の方が足を引きずる人でした。
カーテンコールでふつうに歩いて出てくるまで本当に足が悪い方なのかと信じ込むほどリアルな演技で、つい楽屋に顔出しをしてその役者さんに挨拶をしに行きました。

そこで分かったことは

・台本には足が悪い設定の指示は無かった
・昔バイクの事故で松葉杖をついた生活の時期があった
・リーダーの立場だが腕力には弱いリーダーを作った

という事でした。

舞台を見終えたあとの感想は正直、後輩の演技を褒めたかったのですが印象がかき消されるほどホームレスのリーダー役の人に見入ってしまった事しか残りませんでした。

日常生活でのしぐさ

一般的に「クセ」と言われるものですね。

人と話すときに下を向いてしまうことや、恥ずかしいときに耳をさわる。

その他あげればきりがないですが、要は過去の自分に投影して似た感情がある際に使用してみると

あなたにしかできない役が完成します。

上記3つすべてに共通することは、”同じ悩みを持っている人がいてそれは視聴者(ファン)ということ”。

臆病で声が小さい人にしか分からない「あるある」ってありますよね。
そんなしぐさが演技でできたら、ファンは作品に一気にのめりこみます。

つまり今持っているコンプレックスは視聴者の共感や感動を呼ぶ魔法のスパイスなんです。

次項は、俳優として一般的に最低限必要だと考えられるスキルを紹介します。

俳優として最低限必要なスキルって何?

俳優として芸能界で成功する可能性を高めるために必須なスキルは大きく分けて6項目あると思っています。

芸能界で生き抜く必要スキル

・演技力
・コミュニケーション能力
・メンタルケア能力
・歌唱力、リズム感
・瞬発力
・持続力

それぞれ見ていきましょう。

演技力

言わずもがな、ですね。
演技のテクニックは、一朝一夕の技術で磨かれるものではありません。

発声や滑舌などの基礎の反復練習にはじまりワークショップやレッスンで仕込めるインプットを表現(アウトプット)して、フィードバックをもらっての繰り返し。

要は時間と積み上げが必要です。
私の経験として効率的に演技力を伸ばせる人の特徴は

演技力が伸びやすい人の特徴

・本を読み続けられる人
・他人と変わった人生経験が豊富な人
・質問の質が高い人
・人に評価される事が好きな人
・俳優を目指す理由が明確な人

が当てはまります。

もっと演技力が伸びる人の特徴を細かく解説した記事はこちら

人間観察をして演技力を爆上げする方法はこちら

コミュニケーション能力

キャスティングのプロデューサー、マネージャー、演出家や脚本家

大道具や小道具に衣装に音響照明
そしてキャストの仲間と見てくださるファンの方。

他の記事にもしつこく書いていますが、ひとつの作品をつくるのは一人の力ではできません。

たとえ一人芝居でもお客様がいなければ作品とは言えませんよね。
業界の人と積極的に話せたり、むしろしゃべることが苦手だとしてもワークショップなどに積極的に参加をすることも小さな積み上げです。

コミュニケーション能力は派生して集客力にもつながってきますね。

出会いを大事にする人は相手からも大事にされます。

メンタルケア能力

演劇の世界を生き抜くのは、高い競争率のなかで挫折や困難の壁に多く阻まれる経験を乗り越えていくことと同義です。

その為強いメンタルをつくること、セルフケアをして前向きであり続けることはとても重要です。

挫折しやすい人の特徴

・俳優で生きていくことが楽だと思っている
・短期で演技がうまくなると思っている
・本やTVなどの情報で都合のいい解釈をしてしまう
・他人と自分を比較してしまいがち
・普段の基本的な演技の練習を怠ってしまう

せっかくセンスや才能があっても挫折で辞めてしまっては元も子もないです。

自分自身のメンタルをケアできる能力は立派なスキルですよ。
挫折しやすい傾向と対策についてもっと詳しく知りたいかたはこちら

歌唱力、リズム感

キャスティング(配役)の幅が広がるのも当然ですが、歌えたり踊れたり楽器の演奏ができたりすると配役以外にもやっててよかった!と思う瞬間があります。

これは役者をやったことがある人にしか分からないことかもしれませんが、

このセリフ、この間とこの音程で言ったら笑いになる

って事がよくあります。視聴者からみて心地良い間が存在するんです。

例をあげると、
・ドリフ大爆笑
・吉本新喜劇
や、私個人的なイメージで言うと音と絵だけで表現した
・トムとジェリー

が挙げられます。
この「心地良い間」や「音程」が少しの狂いで笑いや感動がなくなってしまう為リズム感や歌唱力は俳優で生き抜く為に必須なスキルと言えます。

瞬発力

フットワークの軽い人、とも言えますが

・演出家の指示に瞬時にこたえることができる
・新しいことに好奇心をもって取り組める
・知識を取り入れるのに前向き

な事は役者の人生を大きく前進させます。
演出家の指示に瞬時にこたえる為には、台本を深く読み込んで事前に役の感情の選択肢を複数用意している必要性があります。

台本の深い読み込みについてもっと詳しくしりたい方はこちら

持続力

役者の道は短距離ではなく長距離走です。

筋トレと同じで、一気に腕立てふせを300回やったからといって明日ムキムキになれるかと言えば絶対になりませんよね。

上記に挙げたことを長く続けたひとにある日突然オファーが来ることはあっても、
信頼も実績もないフリーランスが演技の勉強を寝ないでやったんです!っていってオファーが来ることはありません。

焦らずに地道に基礎を積み上げた人は人間的にも魅力がある人です。

私の実体験で俳優として役に立ったスキル

私の実体験になりますが、俳優の職業を目指す前にやっていた意外な事が役に立ちました。

いくつか紹介すると、

経験から役に立ったスキル

・方言
・読書
・書道

などがあります。

それぞれ説明します。

方言

私は地元が九州の田舎の生まれで、方言にコンプレックスをもっていました。

上京する人あるあるなのでしょうか。TVのアナウンサーのような洗練された言葉をスマートに使いたいっていう背伸びした気持ちだったのです…。

しかし、とある時代劇もののオファーを受けた際に私の配役は九州出身の役柄でした。

結論を言うと方言での芝居はいつもよりもお客様の反応が非常に良かったのです。
これを分析すると、

方言を使用したことによりキャラクターの地域的な背景や登場人物の地位の背景を説明せずとも細かく伝えることができて、結果的に観客を引き付けてより没入させる演技ができたのだと解釈しました

読書

時代や地域の違いもありますが、学生時代にいわゆる「クラスの1軍」は昼休みに運動場でサッカーをやる

というある種暗黙の了解のようなものがあったのですが、私は図書室で本を読み漁っていました。

活字の本はもともと苦手意識があったのですが、当時「ハリーポッター」や「ダレンシャン」などの名作がどんどん出ている時で物語を読むのが楽しくてずっと読んでいました。

それを自然と続けたことで読解力がついたことや、セリフを骨組みで理解する能力がつき結果として他人よりもセリフの覚え方が圧倒的にはやくなりました。

圧倒的にセリフを早く覚えるコツの解説はこちら

書道

実際に使った機会は少ないですが、効果抜群だったので紹介します。

最愛の人を残して旦那が交通事故を起こし帰らぬ人になり、その後幽霊になって妻といっしょに住んでいた家に帰る笑いあり涙ありのコメディの旦那役をやった時の事です。

最後のシーンで、旦那が妻の誕生日に残した手紙を読むというシーンがあり稽古の時はずっと小道具さんが用意してくれていた手紙を使用していました。

本番でとつぜん私が手紙を直筆のものにすり替えてみたのですが…

妻役をやってくれた方が、ぐっと感情が入り作品としてラストシーンがより盛り上がった

ということがありました。
書道をやる前は私は字が非常に汚かったので、手紙を直筆で書こう!という思いに至ってなかったかもしれません。

まとめ

今回は、俳優に必要なスキルや私が実体験でやってて役だったスキルをまとめてみました。

自分がもっているコンプレックスでさえも考え方や表現次第で武器にすることができるのが、俳優という職業のメリットでもあり魅力なのでしょうね。

他にも役立つ記事をあげているので、よかったら見ていってくださいね!

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