これから役者を目指すけど、テレビで見る俳優も最初は食べれなかったなんて言ってるし
実際芽が出なかったらどんな生活が待っているんだろう…。
これは私が実際に役者を目指したタイミングで感じた疑問です。
同じような疑問を持つ方の為に、実際に役者で10年以上生活をしていた私が、赤裸々に実際の生活ややってよかった事や失敗したことを大公開!
なのでこの記事を読むと・・・
・俳優の生活の裏側が見る事が出来る
・俳優を目指す上でやらなければならない事が明確化する
ので、成功の確率が0.1%でもあがるはず・・!
俳優の平均給料
給料バンクによると、俳優の平均給与は10万円/月です。しかし、当然ながらお仕事のオファーが来ないと、アルバイトで生活費を賄わなければなりません。
そのオファーも、経験や場所やお仕事の内容など、さまざまな要因によって大きく変わってきます。
具体的には、何も経験のない初めての人が地方でエキストラのお仕事をやるのと、20年以上のキャリアを持ったベテランが映画の主演をやるのとでは当然ギャラは変わってきますよね。また、給料制なのか歩合制なのかによっても変動してきます。
大手の事務所に所属していたりすると、事務所が指定した仕事以外は禁止というところもしばしば見かけます。一見するとデメリットにも見えますが、安定して収入が見込める為食べていくという事に関してはそれなりに困る事もないでしょう。
しかし、大多数は専門学校や養成所を出てアルバイトで生計を立てながらオーディションを受けるといういわゆる歩合制での収入の方のほうが多いのが現実でしょう。
今回は私が実際に行ったお仕事を例として見てきましょう。
舞台俳優の収入例:1年目
【場所】東京 【経験】初舞台 【概要】客収容100名/1公演程の小演劇場で、チケット1枚あたり¥2,000- 【給料】チケットノルマ20枚/以降1枚あたり¥1,000バック 【期間】稽古2週間程~、本番公演5日間5ステージ
チケットノルマってどういう事・・・?
チケットノルマとは、簡単に言うと劇団さんから”この分は頑張って売ってね”って出されるノルマの事を指します。
劇団も本番の小屋を借りたり、脚本料や舞台セット装置小道具代その他チラシデザイン費など一つの公演を打つのに莫大な費用がかかります。本番やって赤字!なんて事の無いように、これだけはチケット売ってよってノルマを課す所も少なくありません。
つまり、私がこの公演でチケットが10枚しか売れなかったら、
ノルマ20枚-売れたチケット10枚=10枚×チケット代¥2,000-を実費で払いなさいよ
って事です。
台本を覚えたりオーディションを受けたりする時間を考えたら一か月では済まない時間を取られてマイナスなの?!と思うか、100人呼べたら初舞台でも¥80,000-も貰えるの!?と思うかは考え方次第ですね。ただ、後述しますがここでチケットが売れないと今後は更に厳しいです。
舞台俳優の収入例:3年目
【場所】東京 【経験】3年目 【概要】客収容300名/1公演程の中劇場で、チケット1枚あたり¥5,500- 【給料】チケットノルマ無し/1枚あたり¥1,500バック 【期間】稽古3週間程~、本番公演3日間5ステージ
チケットノルマが無くなりましたね!
年数を重ねたのもありますが、一番の要因はコイツはノルマを課さなくてもチケットを売るから大丈夫という実績を積み上げたのが一番大きな答えです。
ある種、舞台公演の主催側は可能性を掘り出したい為にいろんな人材を使ってみたいという思いがあるんです。その為には残酷なようですが毎回チケットノルマに達さなくて、赤字の役者は起用したくても人情的にも心苦しいんですよね。
なので、身内からでもファンを作り続けられる魅力的な人には出演してほしいから優遇されるといったサイクルになるのは道理にかなってますね。
舞台俳優の収入例:7年目
【場所】全国各地 【経験】7年目 【概要】客収容1,000名/1公演程の大劇場で、チケット1枚あたり¥3,500-、子ども¥1,000- 【給料】1ステージ¥25,000- 【期間】稽古3週間程~、以降は期間が空いた時のみ思い出し稽古3時間ほど 本番は各地でそれぞれ
一気に給料がアップしましたね!!
金銭面で言うと、このあたりから確かにぐっと安定しました。大きな舞台に出演すると、そこからファンも増える為別の舞台にも来てくれるなんて事もあります。
ファンは自動的に増えていくものでは無く自分の努力でつかみ取って、舞台の主催側にもアピールしていくことがカギと言えます。逆に言ってしまうと、俺(私)の演技の魅力に世間はいつか気付くから大丈夫と何も行動しない事は非常にリスクとなります。ライバルは今でも技術を磨いています。
実際に給与面で安定するまでの食いつなぎ方のヒントはこちら
俳優として生きることの難しさ
俳優としては金銭面以外にも、さまざまな難しさがあります。
私の実体験として大きく分けて4個代表例をあげてみます。
・アクセサリーや髪型は縛られる
・メンタル的に追い込まれる
・不規則なスケジュール
・体調管理は必須
それぞれ細かく見ていきましょう。
アクセサリーや髪型は縛られる
例えば戦争ものの映画に金髪で出演している俳優はいませんよね。
私の後輩役者の話しで言うと、時代劇で着物を着ているのに足に中学時代からつけていたミサンガがあり当然ですが演出家から
「お客様の世界観がそのミサンガ一つで変わる。取るか舞台を降りるかどっちにする?」
と言われて、大事な思い出ですがその場でハサミで切っていました。
他にもネイルなども役柄にあっていないと、急な撮影でも落としてくれと言われたり実際私もお坊さんの映像のお仕事が入り「明日までに髪の毛全部剃ってきて」と言われた事もあります。
メンタル的に追い込まれる
更に細かく分けるとここは2つ理由があります。
・役との切り替えが出来ない内的要因
・ダメ出しやオーディション落選などの外的要因
役との切り替えが出来ない内的要因
どんな役が自分に配役されるのか選べないのが俳優という仕事です。
これは人にもよるのですが、ネガティブな配役が来た時にその配役と自分自身の棲み分けが難しくなる人はいます。これは役でやっているだけで普段の私生活とは別物!と切り替えるマインドが必要ですね。
ダメ出しやオーディション落選などの外的要因
客観的に自分の動きや声どういった表現がどう見えているのかというのは、思いのほか自分の想像と現実にズレが生じている事はよくあります。そうでなければウォーキングのレッスンとかも必要ないですよね。
そのズレを修正する為に演出家は居て、より良い表現方法になるようにダメ出しをおこないます。
オーディションも同様で、欲している人材で無い場合は当然落選もあり得ます。
重要なのは、ネガティブな外的要因は皆すぐに忘れるし落選の数を数えられてはいない。100回ダメでも1回受かれば合格に変わりはないという事実を大きな視点でとらえられるかどうかです。
不規則なスケジュール
これはテレビとかでもよく見ます!26時入り!とか言うスケジュールがあるとか!
その通りですね。他にも明日急きょ撮影出れる?など来たりもしますよ。
上記にも出てきましたが、明日撮影出れる?って電話が来てバイト先に謝罪の連絡!なんて事があります。夜中や朝方の撮影もありますし、とにかくいつチャンスが巡ってくるのかわからないのでしがみつくような覚悟が無いとついていけないです。
体調管理は必須
映像も舞台もそうですが、一つの作品を創るのには企画や脚本スタッフの手配現場の手配など想像よりも多い労力がかかっています。
そんな中で「すみません、体調不良で今日はいけません」って管理がずさんな人を次からキャスティングしようとは私は思いません。
いつでもベストなパフォーマンスを発揮できるように喉のケアをする事や肌の手入れなど万全を期して望めるようにしておきたいですね!
まとめ
この記事では、俳優の現実の実体験をもとに赤裸々に書いてみました。
ただ、私はこの記事を通して言いたいことは
「こんなに厳しい職業なんだよ。諦めたほうがいいよ。」と言いたいわけではありません。
むしろ正反対で
「現実を知っても挑戦しないと一生後悔する」
という事を伝えたいです。
全く別の話しになってしまうのですが、私は以前とある事情で65歳以上の会社を経営している社長を対象に”後悔している事ってなんですか?”と言う質問を30名でアンケートを取りました。そこではなんと半分以上の方が
挑戦しなかった事
と仰られました。会社を経営しているという事は挑戦してらっしゃるじゃないですか!なんて言いたくなりますが、ご本人の基準の中では形は人それぞれでプロ野球選手にとかあの会社を超える為に危ない橋を渡ってでも勝負していれば、とかもっと挑戦が出来たと言う事実があるのでしょうね。
厳しい世界だからこそ人を感動させられるし魅了するのです。そしてそれは日常生活を送る事においても必ず役立つ事です。
そしてこの記事を最後まで読んでくれたあなたは厳しい現実を目の前にしても戦える強さを持った人です。
迷っている暇があるなら怖くても踏み込んだほうが良いです。
他にも役立つ記事を書いているので良かったら見ていってくださいね。
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