・舞台俳優ってなるにはどうすれば良いのか分からない
・今やるべき事は何すればいいの?
ってお悩みの為に、実際に15年間俳優として食べてきた私がゼロからでも分かるように徹底解説の記事を書いてみました。
なのでこの記事を読めば…
・舞台俳優のなり方が図解で分かる
・やれる事が明確化する
から、デビューまで最短ルートでむかえるハズ…!!
舞台俳優になる方法は大きく分けて5つ
この記事では、お客様からお金を頂戴し舞台を公演するという一般的に言うプロといった定義での舞台役者を前提に書いていきます。
舞台役者になる方法は大きくわけて
の5つが考えられます。
それではひとつずつ見ていきましょう。
養成所や事務所に所属する(おすすめ)
私が芸能事務所や養成所に所属する事をおすすめする理由としては、大きく3つあります。
具体的には
・仕事の案件数が増える
・事務対応をマネージャーが行ってくれる
・現場ごとに必要なレッスンを受けられる
逆にデメリットとしては
・入所の際に費用がかかる
・事務所の管理が入る為ある程度規制がかかる
・ギャラが100%は入らない
といった事が考えられます。
それぞれ解説します。
仕事の案件数が増える
私のおすすめを紹介した記事でも書いていますが、とにかく他の選択肢と比較しても群を抜いて案件が多いです。
理由としては、事務所そのものに実績や信用がある為案件自体も数が増えていくといった流れです。
事務対応をマネージャーが行ってくれる
例えばオーディション1つを受けるにしてもエントリーシートを用意して送ってスケジュール管理をしてって作業を、マネジメントしてくれます。
他にも現場でトラブルなどが起きた時にも守ってくれたりなどが可能です。
要するに本業だけに集中出来る環境を作れるのは大きなメリットです。
現場ごとに必要なレッスンを受けられる
舞台俳優って思った以上にさまざまなスキルが求められます。
演技力や表現力はもちろんですが、他にも歌唱力やダンスなど
あげればキリが無いほどこれも、あれもと要求される中で自分ひとりでワークショップなどに通うのは時間も金銭的にも厳しいです。
それらを包括的にレッスンを受けられる環境も事務所や養成所に所属するメリットです。
それではデメリットも見ていきましょう。
入所の際に費用がかかる
上記にあげたマネジメントしてくれる人(マネージャー)のお給料やレッスンの講師、その他施設設備維持費などで所属の際や月謝制などで費用がかかります。
事務所によっては、特待生制度を設けているところもありその費用を免除や減額している場所もあります。
特待生制度はテアトルアカデミーなどが有名です。
事務所の管理が入る為ある程度規制がかかる
所属することは一言で言うと「事務所の商品」として扱われることになります。
つまり、事務所はあなたの今の価値をもとにさまざまな営業活動を行います。
ところが案件が取れたとして、写真よりも太っていたり痩せていたり髪色が変わっていたりすると最悪の場合案件をくれた企業さんとの信用問題になってしまいますよね。
その為ある程度の管理を事務所にはされることになります。
ギャラが100%は入らない
事務所や養成所との契約次第によって異なってきますが、
たとえば100万円のCMの案件が来たとして事務所との契約が折半(50%:50%)の場合は実際に貰えるギャラは50万円です。
こんなに取られるの?!なんて思うかもしれませんが、後述しますが逆にフリーで活動するよりも結果的に高くなる可能性が多いです。
専門学校に通いながら案件を探す
専門学校に通いながら舞台俳優のオーディションを探すのは、私が実際に行ったルートです。
実体験をもとにメリットをあげると
・チケットを売りやすい環境にある
・座学を含めて専門的な勉強をしながらオーディションに望める
・最悪の場合でも食いつぶしが効く
反対にデメリットとしては
・高額な費用がかかる
・実践で使えるスキルでは無い可能性がある
・熱意が無いと挫折しやすい
それぞれ解説します。
チケットを売りやすい環境にある
舞台俳優として生き残るには、どうしても欠かせないものは集客力です。
地方から上京したばかりだとしても、同期や先輩後輩は少なからず同じ業種ですから興味関心が深い方向にあります。
つまり、他と比べてチケットを売りやすい環境にあります。
チケットを売る方法をまとめた記事はこちら
座学を含めて専門的な勉強をしながらオーディションに望める
読んで字のごとく、専門的な分野に特化して学ぶ事が出来ます。
演技の基礎の基礎から学べる環境は他と比較しても随一です。
最悪の場合でも食いつぶしが効く
あまり考えたくないケースですが、「俳優としてもう食べていけない!」ってなったとしても、講師として専門学校に行ける形も考えられます。
ある程度舞台を経験したら、OBやOGとして授業のコマを貰う事も出来る可能性があります。
デメリットも見ていきましょう。
高額な費用がかかる
とにかく高いです。
年間で80~120万円位が平均した相場で、2年通うと250万円(修学旅行や雑費等含む)くらいかかる目安です。
実践で使えるスキルでは無い可能性がある
例えば、「芝居の歴史」などを1から勉強出来るのは強みでもありますが、正直現場では一切使いません。
実践的な事だけを学べるプログラムを組んでいる学校をオープンキャンパスなどでとことん調べつくすべきです。
熱意が無いと挫折しやすい
同じような年齢が同期だと、どうしても「学生生活」といった甘えに陥りがちです。
2年間で卒業公演をする際にやっと差に気付いて挫折を味わい、デビューする前にそのまま就職なんてケースもあります。
ちなみに、挫折しやすい方の特徴をまとめてみた記事はこちら
劇団に所属する
舞台公演に出演することだけにフォーカスをあてるとすれば劇団に所属することがある意味一番の近道かもしれません。
その名の通り、「劇場で芝居を披露する団体」なので。
こちらのメリットは、
・所属としての優遇を受けやすい
・舞台を踏める回数が多い為経験値をあげやすい
・舞台のセット設営から学べる
デメリットとしては
・団費がかかる
・外の劇団のオーディションを受けずらい
・規模や座長(主宰)の考えにより大きく左右される
ということが考えられます。それぞれ見ていきましょう。
所属としての優遇を受けやすい
劇団の規模にもよりますが、所属していたらその劇団が企画する舞台には出演の可能性は上がります。
というのも、ひとつの公演を行うにあたり
・チケットをさばききれない収益的な理由
・他劇団との交流の為
・脚本の都合上キャストが足りない
などの理由により、客演を呼んで公演を行う場合がほとんどです。
つまり、劇団員はキャスティングで優遇を受ける可能性が高いという事です。
舞台を踏める回数が多い為経験値をあげやすい
上記の理由から、活発な劇団ほど出演の可能性があがるので踏める舞台の数があがり経験値があがりやすい傾向にあります。
舞台のセット設営から学べる
劇団に入るという事は自分が主催側にまわるという事なので、裏方のお仕事も当然はいってきます。
後述しますが、裏方の仕事って意外とたくさんあります。
美術のお仕事など、モノ作りが好きな方にとってはメリットです。
デメリットは以下の通りです。
団費がかかる
こちらも劇団によって異なってきます。
劇団の運営を続けなければならないので、経費を回収する為にどこかでマネタイズが発生してきます。
0円の場所もありますが、反対にチケットノルマが大きかったり逆に
10,000円/月を団費として回収する代わりにチケットノルマ無しなどの劇団もあります。
ちなみに有名な劇団の劇団四季は過去に、公式HPに月給制って書いていましたが今は記載が無くなっています。
外の劇団のオーディションを受けずらい
こちらも劇団により方針が変わる為一概には言えませんが、自身の所属している劇団の公演や業務を優先になるために外の劇団の主催する公演オーディションに出ずらいです。
「いいけどこっちの仕事もあるからね…?」
なんて冷ややかな目で見られがちです。
規模や座長(主宰)の考えにより大きく左右される
個人的にはこれが一番のデメリットです。
仮に入った劇団が「他劇団の考えを取り入れない」的な考えの排他的な劇団だとしたら、その劇団の世界しか見えない考え方に固執してしまいがちです。
見に来てくれるファンの層も変わらないので、実質的にチケットを売る事やファンを増やす事も難しくなってきます。
その為事前にたくさんの劇団を下調べしたり、観劇して好きな毛色の劇団を見つける事は重要な項目です。
劇団の探し方はこちらのサイトなどでも探す事が出来ます。
観劇するのにお金や時間が足りない方は、こんなサービスもあります。
演劇動画配信サービス「観劇三昧」
無料でスマホでもたくさん舞台を見る事が出来ますのでおすすめですよ。
フリーでオーディションを受ける
前項で説明した客演を狙うか、大きな商業演劇のオーディションに参加するかを自分で行う方法です。
メリットは
・ギャラ(報酬)を100%貰える
・規制が無いので自由に活動できる
反対にデメリットは
・ギャラ単価が低い可能性がある
・トラブルの対応等もすべて自分で行う
・信用や実績を積むのが難しい
が考えられます。
ギャラ(報酬を100%貰える)
フリーランスで舞台俳優を目指す一番のメリットとしてあげられるのはこちらです。
間にはさまる機関が無い為、ギャラはそのまま100%手元に入ってきます。
規制が無いので自由に活動できる
髪型や服装、ネイルなどのやりたいおしゃれなどにも規制がかからない事もメリットです。
ギャラ単価が低い可能性がある
事務所や養成所に所属する場合と比較して、ギャラ交渉などもすべて自分で行わなければならないです。
そもそも出演の契約自体が、
・チケットノルマあり
・チケットノルマなし
・1ステージごとの報酬
によっても違ってきますし、場所によってはチケットノルマは無いけど報酬も無いよってところもあります。
トラブルの対応等もすべて自分で行う
舞台はトラブルがつきものです。
例えば私の知り合いが実際に経験したケースとして、
舞台の稽古中に誤って共演者の足を踏んでしまい相手の足の骨が折れてしまった
というトラブルがありました。もちろん悪意などは一切なかったにせよ、相手方は次回も仕事が決まっている有名な女優さんだった為に事務所との対応にずっと追われていた事がありました。
すべて自分で責任を持つ、とひと口にいったとしても一人では解決できる範囲ではない可能性もあるので注意が必要です。
信用や実績を積むのが難しい
「私新人ですが、チケット100枚売れます!信用してください!」
実際に私がキャスティングの際に言われた言葉です。
信用してキャスティングしたら、22枚でした…。
申し訳ないのですが、絶対にもう使わないと思います。
このように、演技力や集客力などを裏付ける後ろ盾が個人だとどうしても弱くなります。
まずは小劇場などで経験を積んで平均的に何人くらい集客できたから今回も呼べます
といったような具体的な根拠が必要になってきます。
自分で劇団を立ち上げる
まったくの未経験からの場合は相当難しいものがありますが、選択肢としてあげられる為記載します。
メリットは
・脚本も自分がやりたい事が可能
・収益はすべて自分で管理できる
・すべて管理するので、経験値を非常に早くためやすい
デメリットは
・すべての負担は自分にかかる
が考えられます。
脚本も自分がやりたい事が可能
主宰なので当然ですが、決定権があります。
自分で書くのも良し、やりたい脚本を引っ張ってくるのも良しです。
収益はすべて自分で管理できる
極論を言うとキャスト全員にチケットノルマを課した上でギャラはゼロ(友情出演)で、粗利がかなり出たとしても、それは主宰側で管理できます。
すべて管理するので、経験値を非常に早くためやすい
後述しますがひとつの公演を行うのには考えなければならないことがたくさんあります。
断言しますが必ずそれらをこなす為にバタバタ追われます。
しかし、その分経験値は他と比べて大きなものですし乗り越えた時には達成感は非常に大きなものです。
すべての負担は自分にかかる
すべてはここに集約します。
赤字が出てもすべて自分で負担しなければならないですし、脚本やキャストの管理、演出に美術チラシ制作に衣装などなど。
どれかひとつでも抜け漏れがあっても責任は全部主宰にまわります。
管理能力もそうですが、鋼のメンタルも必要になってきます。
舞台俳優としての具体的なお仕事
舞台俳優としての具体的なお仕事の内容をあげてみます。
ここを理解して舞台俳優を目指すかどうかで、だいぶ差がつくのは事実です。
劇団や場所にもよりますが、あって損しないスキルなのでご覧ください。
おおまかにわけると、舞台を公演するにあたってはこのようなお仕事の内容があります。
それぞれ見ていきましょう。
脚本
正直な話し、「集客」と「舞台公演」の項目以外は、直接的に俳優としてプレイヤーだけをやる方には不必要かもしれません。
が、私は経験として必ず役に立つので一度はやってみる事を強くおすすめしています。
舞台も映像も台本が無ければ物語がそもそも始まりませんね。
切っても切れない関係の台本ですが、自分で書いてみると脚本解釈の幅がグッと深まります。
自分はこういう意図で書いてみたけど実際に動いてみたら別の解釈になった
なんてあるあるで、自分の生んだ役が動き出す瞬間はたまりませんよ。
演出
こちらも舞台の脚本と同様で、脚本解釈能力があがる事とそれぞれの解釈をまとめてひとつの作品にするという
いわゆる俯瞰でどう見えているのかというスキルが大幅に理解できます。
音響/照明
意外だと言われることもあるのですが、音響や照明が上手い人って共通して演技がうまいんです。
心地良いほしいタイミングでのフェードインや、観客をわくわくさせるカットアウト。
一回もやった事のない人はぜひやってみた方が良いと強くおすすめします。
大道具/小道具
舞台のセットや装置、そして舞台で扱う小道具ですね。
大道具は
舞台監督略して「ブタカン」
舞台美術略して「ブタビ」
なども呼ばれます。
これ、実は出演者さんが稽古している最中に必死でセットを裏側で作っている人がいるんです。
小屋入りの日に1秒でも演者がステージで稽古を長く出来るように安全かつ迅速にセットを仕込んで
本番が終わったらまた安全にバラシをしてくれる。
小道具ひとつとっても同じで、演者が100%のパフォーマンスをできるように最大限に考え抜かれている裏方業務です。
ところがなかなかここに気付ける演者さんは少なくて、
「遊んでいて壊しちゃいました~」
ってニコニコして謝られる事に耐えてからようやく一人前です。笑
衣装
大道具や小道具と同じく、作品の魅力を最大限に引き出す縁の下の力持ちです。
現代劇ならともかく、時代劇の芝居なのに衣装が無かったら見ているほうも引き込まれませんよね。
製作
チラシを作ったりパンフレットを刷ったりその他関係者席の設営などなど。
どうやればキャストさんが告知をしやすいのか等を考えぬく作業なので、こちらも外せないお仕事です。
集客
舞台公演も収益が無ければ継続して行うことはもちろん、赤字になりながら公演を行うのは難しいですよね。
例外として、震災の復興支援で無償でおこなうイベントなどに私は積極的に参加したりはしたのですがそれは今回のケースのプロとして行うという定義からは外れます。
そこには、どうしても集客力は必要です。
「あの人が出るから舞台を見に行きたい!」
と思わせる日頃からの努力が必要ですね。
近年では、集客力をある程度の見込みをつくる為にSNSのフォロワー数を確認する団体さんも増えてきました。
チケットを売る方法をもっと知りたい!って方はこちら
舞台公演
さぁ、本業です。腕の見せ所ですよ!
精一杯に役に生きることを楽しんでください。この瞬間の為だけにどんなに辛い事でも頑張れるという方が生き残ります。
まとめ
今回は、舞台俳優になる為の方法と、それぞれの詳しいメリットやデメリットから具体的なお仕事の内容について書いてみました。
私の経験上のおすすめは、養成所や事務所に所属しながら自身のレベルをあげながら大きな舞台を狙っていく。
といった形が最適解だと思います。
そして裏方の業務にも理解がある俳優は、本当に現場に好かれるというメリットがあります。
覚えておいて絶対に損のない内容なので、いざ現場に行ったら「何か手伝えることないですか?」って一言言ってみましょう!
養成所の詳しい内容は、こちらに記載していますのでよかったらみていってくださいね。
他にも、役に立つ記事を書いているのであわせてご覧ください!
シェアや質問のメールなどもよろしくお願いします!
がんばれ!未来の可能性!!
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